週刊碁でも紹介されていた Lizzie というソフトがあります
Leela Zero という囲碁AI を用いてリアルタイムで棋譜を調べてくれるものです。
しかもその棋力は超プロ級。そして無料。

いってみれば自宅に井山さんクラスかもしかするとそれ以上の棋士が待機していて、いつでもどんな碁でも調べていろいろ教えてくれるようなものです。

たとえばこんな楽しみ方。

テレビ観戦のおとも
テレビ囲碁対局の解説者は手元に囲碁AIをおいてないこともあって(おけばいいのに)、たまにいい加減なこと(失礼!!)を言ってることもあります。解説のチェック(ちょっと意地悪ですけどね)もできてテレビ観戦の楽しみが広がります。

自分の打ち碁の添削
自分の打ったヘボ碁をプロに見てもらう機会はめったにありませんし、タダでやってもらうわけにもいきません。でもこれからは、どの手が問題で、どう打てば勝ててたのか、いつでも何箇所でも遠慮なく教えてもらえます。

プロの碁の鑑賞
世界のプロの碁のうち、プロの解説がつくものは1%もないでしょう。解説のないプロの碁をみて楽しめるのはアマでもごく一握りのトップクラスの人たちぐらいだと思います(少なくとも私にはちんぷんかんぷんです)。
応援している棋士の棋譜を「あそこのミスで非勢になったけど、この手が勝負手で、ここで逆転したんだな」など、しっかりと楽しむことができます。

では、未だ興奮さめやらぬ先の囲碁名人戦第7局で、Lizzie がどんなことを教えてくれるのかみてみましょう。

手元の週刊碁をみてみると、この場面、中央の黒アタリに対して白がaと1子をポン抜いた手が分岐点で、形勢不明から黒に形勢が傾き井山名人の防衛に大きく近づいた、白は図の白1コスミがよかったということが書いてあります。


Lizzie でその局面を調べると、まさにそこ。
コスミを打てば、白の張栩挑戦者は勝率54%だったのに、実戦の抜きでは勝率42.6%に下がってしまう(逆転!)との指摘。

ここは週刊碁と同じポイントですね。さすが!?

が、が、しかし、白のコスミのあとの想定図(上図の左下に出てます)が週刊碁とは違う。

さて、白コスミを打ったとしてその局面に手を進めてみるならば、週刊碁の想定図の黒の手(42.5%)より、もっと黒の勝率の高い手(47.5%)があるとの指摘。

自宅のパソコンはもう週刊碁の上をいってる【かもしれない】、とまぁ、こういうわけです。
(もちろん週刊碁のほうが正しいか、それは碁の神様にしかわかりません)

これだけは間違いないです。週刊碁で取り上げられる局面は数箇所に限られますが、Lizzie 使えば1手めから全部の局面について詳しく調べることができる。

こんな環境が無料で手に入るのなら(手に入ります)、手に入れないという選択肢はないでしょう。

【補足】
「でも、すごい高性能のPCが要るんでしょ? 十数万円のGPUボードとか...」って思う人がいるかもしれません。プレイアウト(終局までのシミュレート)の回数が問題なわけで、リアルタイムで対局するとか、1局まるごと解析するとかでは求められる性能は結構シビアですが、Lizzie で、ある局面を調べるだけなら、GPU無しでも充分実用的だと思います。すこし時間をかけてプレイアウト回数を増やせばいいので。この記事のLizzieも LeelaZero をGPUなしで動かしてます。